

社会の高齢化、病気の構造変化を受けて、医療機関としては単なる医療の推進に止まらず、幅広い病気の予防(保健)、早期発見(健診)、早期回復(リハビリテーション)、介護と福祉などを総合的に考えていかなければならなくなってきた。しかし限られた資源のなかで、この要請に応えるためには、関係者が積極的に協力し、効率的に活動するチームとしての医療、介護の体制が必要である。そのため協会も社会福祉法人としての責務を自覚し、多くの分野を担う構成員の育成とともに、新たな業務や制度に向けて協力し、全体のレベルアップを図ることが強く求められてきている。社会のなかで大きい役割を担うことが協会の将来を確実なものに位置づけることになる。
この活動は協会の存在をもっともアピールできるものである。変動の時代にあって自治体も地域社会も多くの問題も抱えて苦慮しているのである。当然ながら私どもは積極的に自治体や地域の施策や運営に協力すべきである。こうすることで病院に対する親近感が生み出され、協会の存在理由が一層明確にできる。地域のボランティア活動、いろいろなイベントのなかで地域の人々を交流しながら、われわれの仕事にも理解を深めていただくことが必要である。協会はこのような積極的な姿勢で多くの問題に臨むことが大切である。
われわれが行う医療も保健も福祉もクライアントのためになされるものであり、われわれは奉仕者であることをしっかりと認識すべきである。心身に不安を持つ患者様が病院に求めているのは何かをじっくりと考えたい。
私どもの施設を利用される人々は、なにより質の良い医療、信頼できる腕と、思いやりの心、優しい笑顔を求めている。このことを、日常の忙しさや緊迫した状況のなかでも協会の職員すべてが常に反芻していなければならない。真剣に考えていただきたいのは、温かい接遇とプライバシーの尊重、インフォームドコンセントの重視などである。多くの人々に信頼され、愛されてこそ、協会の存在価値が発揮される。また同時に自らを磨き、自覚と誇りをもって多くの人々に接することが大切である。
働きやすい働きがいのある職場とは、職員が持っている能力を十分に発揮でき、その成果が正しく評価され、情報交換が闊達で風通しの良い職場である。そのためには、その持っている能力を最大限発揮できて、それぞれが働きがい、生きがいを感じることのできる職場づくりに努めることも大切である。また病院などの職場では、職員すべてが安全性に細心の注意を払わなければならない。
働きやすい、働きがいのある職場づくりには、それぞれの職場の自主的な発想や努力が尊重されることが重要である。お互いを知り、それぞれの役割を尊重し、協力することが必要である。これは組織の硬直化を防ぎ活性化を促し、優れた提案、真剣な検討を尊重して、レベルアップを図るものである。将来をみすえた真摯な努力を重ねていただきたい。職場のさまざまなことに関心を深め、論議に参加することで、それぞれの士気は高まり、組織は活性化する。
これからも社会事業協会は一体であり、傘下の病院の協力体制は維持するが、安易な「甘え」は受け入れることはできない。しかしお互いは協会本部を中心にした運命共同体である。連携を密にして、知恵と工夫を分かち合い、切磋琢磨してレベルアップを図っていくことが大切である。そのため各種の会議をおこし、それを活発に運営して、多くの意見を汲み上げ、今後の策定に役立てる。
いかなる名案、施策も経済的な基盤が安定していなければ、絵に描いた餅にすぎない。これまでの困難な経営過程を経て、現在は協会本部に新たな企画や事業をすすめる所用の資金はない。しかも行政や金融機関に助成や支援を期待しようにも、それぞれが厳しい状況のもとで同じように苦しんでいる。しかし時代の著しい変遷のなかで、協会が担う事業の必要性はますます増大するものとみられる。この社会的要請に応えるためにも、また協会自身の将来のためにも、われわれは一致して確固たる決意のもとに、苦しくとも自らの努力で経営の健全化を達成できるように、最大、最高の力を発揮する必要がある。







